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佐々木運輸のあれこれ~車両メンテナンス~

皆さんこんにちは!佐々木運輸機工有限会社のブログ更新担当の中西です。

 

さて今回は

~車両メンテナンス~

 

リース機は“貸して終わり”ではありません。安全・稼働率・再リース価値を決めるのは、引き取りから次回出庫までのメンテナンス品質です。ここでは、クレーンを中心に重機リースの整備を流れ・技術・運用KPIで整理します。


1|入庫〜出庫まで:標準フロー

  1. 返却受付

  • 稼働時間・故障申告・現場環境(粉塵/塩害/高温)をヒアリング

  • 外観写真・動画で状態を即時記録(法的・商取引リスク回避)

  1. 一次点検・洗浄

  • 高圧洗浄→リーク可視化、泥錆除去→腐食進行の抑制

  • 清掃後に目視/触診/打音でクラック・変形・緩みを抽出

  1. 機能・安全装置点検

  • エンジン/油圧/電装の始動試験

  • LMI(荷重モニタ)・モーメントリミッタ・アウトリガーインターロック作動確認

  • 走行(公道走行車は灯火・制動も)

  1. 定期整備(時間or月次)

  • 250/500/1000hなどのメーカー基準で油脂交換・フィルタ・グリスアップ

  • 消耗品の予防交換(後述)

  1. 最終検査・試運転

  • 吊り荷テスト、ブーム伸縮・旋回、緊急停止作動

  • 出庫前チェックリストと整備記録の更新


2|クレーン固有の重点ポイント

  • ワイヤロープ/シーブ

    • 断線・素線の飛び・腐食・径減少・つぶれ・屈曲疲労を点検

    • シーブ溝摩耗・偏磨耗、ベアリングのガタ

    • 潤滑は“浸透+表面保護”の両立、過潤滑によるダスト付着を防ぐ

  • フック・ラッチ・スイベル

    • 開口拡大・ねじれ・亀裂、ラッチ復帰・スプリングテンション

    • 荷重標示・識別表示の判読性

  • ブーム/ジブ・スライドパッド

    • 伸縮時の擦過痕・ピン穴の偏摩耗、ウェアパッドの厚み測定

    • ブーム起伏・旋回の作動トルクと異音

  • アウトリガー

    • シリンダ漏れ・パッド摩耗・座屈痕、接地センサー作動

    • 地耐力計画に沿ったパッド面積の適合(付属品欠損の有無)

  • 安全装置

    • LMIセンサ較正、過巻防止、風速計、傾斜センサ

    • 上限/下限ストッパ設定・インターロックのバイパス有無チェック

※ロープやフックの廃棄基準はメーカー/規格の数値に必ず従う(断線本数・径減少率等)。迷ったら即交換が鉄則。


3|共通メンテの勘所(油圧・動力・駆動)

  • 油圧系:作動油の清浄度・酸化・水分、ポンプ/バルブの異音、ホースの擦れ/膨らみ/クラック

  • エンジン:オイル・冷却水・燃料フィルタ、DPF/AdBlue(尿素)残量と再生履歴

  • 駆動・足回り:タイヤ溝・偏摩耗/空気圧、クローラは張り調整とリンク摩耗

  • 電装:充電電圧・バッテリCCA・端子腐食、ハーネスの擦れ・防水カプラ

  • ボルト締結:旋回ベアリング・ブーム根元などトルク管理→トルクマーカーで可視化


4|油脂・消耗品の交換目安(例)

  • エンジンオイル:250〜500h

  • 作動油:メーカー推奨(通常1000〜2000h)+油分析で延伸/早期判断

  • フィルタ(エンジン・燃料・油圧):オイル交換とペアで

  • グリス:ピン/シーブ/スライダは使用条件で短期化(粉塵・雨天の後は追加)

  • ベルト/ホース:年次点検+亀裂・硬化・膨出は即交換

  • ブレーキ・ハブ:ライニング残量・ドラム摩耗、油漏れ

時間基準(h)と月次基準の“二軸”で管理すると、稼働ムラがあっても漏れにくい。


5|予防から“予知”へ:テレマティクス活用

  • 取得データ:稼働時間、油温/水温、燃料・AdBlue残、DTC、過負荷・傾斜ログ

  • アラート運用:温度閾値・油圧低下・DPF目詰まりを現場と整備で同時受信

  • 油分析:金属粉・水分・酸化価からベアリング/ポンプの劣化兆候を早期把握

  • KPI稼働率(Availability)・MTBF・MTTR・1h当たり整備費で改善点を特定


6|法令・検査・記録(日本想定の一般論)

  • 定期点検/自主検査:クレーン・建設機械は法令/メーカー基準に基づく定期点検が必須

  • 公道走行車:車検・定期点検・保安部品(灯火・反射・速度表示)

  • 吊具・付属品玉掛け用具等は別系統の定期点検と台帳管理

  • 記録:整備記録・交換履歴・検査成績書を台帳+クラウドで保管(出庫時に抜粋を添付)

地域や機種で要件が異なるため、最新のメーカー指示と関係法令で最終確認を。


7|季節・環境対策

  • :冷却系清掃・ラジエータ目詰まり除去、油温監視、キャビン空調点検

  • :燃料凍結対策(低温軽油/添加剤)、バッテリ性能点検、保温カバー

  • 塩害/海風:洗浄頻度増・防錆コート、コネクタの防水グリス

  • 粉塵:エアフィルタ短期交換、グリスの選定変更(粘度・耐水)


8|代替機・故障対応の運用

  • SLA設定:受付→到着→復旧の目標時間、一次切り分け手順を標準化

  • パーツ在庫:A(即応)/B(翌日)/C(取寄せ)の階層在庫

  • 代替機ルール:現場条件・容量の同等以上、搬入経路とオペ有無をセットで手配

  • 現場教育:出庫時に始業前点検の短縮版を配布(QR動画つき)


9|整備コストを下げ、品質を上げる小技

  • 同時交換:対向部品(左右・ペア)で再入庫を防ぐ

  • **再整備の“再発番付”**を可視化し、根本対策(設計・部品選定)

  • 専用工具の整備:トルクレンチ校正/圧着工具/圧力ゲージの定期校正

  • 外注の使い分け:油分析・電装リビルドは専門会社と定額契約


10|チェックリスト(保存版・抜粋)

毎日(オペの始業前)

  • 漏れ(燃料/油/冷却水)/タイヤ・クローラ/ワイヤロープ/フック・ラッチ

  • 灯火・警報・バックカメラ/LMI表示/アウトリガー作動

  • 油量・水量・異音・異臭・計器警告

週次/250h

  • グリスアップ/フィルタ差圧確認/ベルト張り/ボルト増し締め

  • ロープ端末・ソケット部の点検/ブーム摺動部清掃

月次/500〜1000h

  • 油脂交換・油分析/旋回ギヤのバックラッシュ測定

  • ブレーキ分解点検(公道走行)/電装ハーネスの擦れ補修


重機リースの価値は、壊れない・止まらない・安全に働くことで立証されます。
そのために必要なのは、標準フロー×予防整備×データ活用の三点セット。
「入庫時の見える化→定期整備の抜けゼロ→テレマで予知→記録で証明」を回せば、稼働率と顧客信頼は着実に上がります。次の出庫から、まずは出庫前チェックのQR化油分析の定点化——ここから始めましょう。

 

徳島県阿南市の佐々木運輸機工有限会社は、
・クレーン作業(クレーン操作により建設資材等の吊上げ)
・長、重量物の運搬(重機等)
・建設機械の運搬(トラック使用)
・鉄骨、足場材等の建築資材の運搬
・矢板工事一式
などの作業を行っています。

また、重機のリース事業もしています。

クレーン、建設機械による作業の請負、重量物運搬、一般貨物自動車運送業、矢板工事一式、一般土木工事などは、佐々木運輸機工有限会社へお任せ下さい!

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