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月別アーカイブ: 2025年4月

佐々木運輸のあれこれ~矢板工事の海外の違い~

皆さんこんにちは!佐々木運輸機工有限会社のブログ更新担当の中西です。

 

さて今回は

~矢板工事の海外の違い~

ということで、今回は、地盤を支えるための重要な土木工法である「矢板工事」において、日本と海外ではどのような違いがあるのかを深掘りしていきます♪

 

表面には見えないこの工事。

しかし、使われる素材や施工方法、設計思想には、国によって異なる土壌・法律・文化が色濃く表れているのです。


◆ なぜ「矢板工事」は世界中で使われているのか?

矢板工事は、掘削や地下構造物の建設時に周囲の地盤崩壊や地下水の侵入を防ぐ仮設構造物として、世界中で一般的に使われている技術です。

✅ 世界での用途は共通

  • 地下鉄・トンネル建設

  • 河川・港湾護岸

  • 高層ビルの基礎工事

  • 地下駐車場、地下道整備 など

🌐 ただし、「どう作るか」「何を重視するか」は国によって大きく異なるのが現実です。


◆ 日本の矢板工事の特徴

🇯🇵 1. 地盤が複雑で軟弱なため、高精度な施工が求められる

  • 日本は火山性地質が多く、粘性土・軟弱地盤が広く分布。

  • 地震・豪雨による地盤の急変も多く、土圧・水圧に対する安全設計が非常に厳しい。

  • そのため、矢板工事においても綿密な設計と高度な施工管理が求められる。

🔧 例:多段の切梁設置、綿密な地盤調査とモニタリング体制


🇯🇵 2. 鋼矢板の活用と再利用文化

  • 繰り返し使用可能な鋼矢板が主流

  • 一部の現場ではリース方式による施工コストの圧縮も進む

  • 解体後も保管し、別現場で再活用されることが多い

♻️ 日本独自の「もったいない」文化が施工にも反映


🇯🇵 3. 狭小・都市型の現場に対応する精密工法

  • 都市部では周囲に既存構造物やインフラが密集

  • 「無振動・低騒音」な圧入工法(サイレントパイラー)の導入が進む

  • 作業スペースが限られる中での機械の小型化・ICT管理が進化


◆ 海外(欧米諸国)における矢板工事の特徴

🇺🇸 アメリカ:経済性とスピード重視

  • オープンカット工法(開放掘削)を多用し、矢板は最小限

  • 仮設構造の耐久性よりも一時的な安定性を優先

  • トレンチシールドやH型鋼材との併用が多い

🛠️ 広大な土地とコスト意識の強さが背景に


🇩🇪 ドイツ:構造物と一体化する恒久的な矢板設計

  • ソイルミクスチャー工法セグメント矢板など、高度な混合・連結技術

  • 矢板が恒久構造物(基礎壁や防水壁)としてそのまま残される

  • 地震が少ないため、水密性や環境性能を重視

🧱 環境規制が厳しく、地下水保護の観点からの施工が重視される傾向


🇬🇧 イギリス・フランス:伝統と近代技術の融合

  • 歴史的な建造物が多いため、地下工事への文化的配慮が強い

  • サイレントパイラーの導入例も増加(日本からの技術移転)

  • 地下遺構の保護、文化財発掘との調整も重要な課題

🕍「掘る」=「歴史と向き合う」という土木文化が根付く


◆ 技術と価値観の違いから見えてくること

比較項目 日本 海外(欧米)
地盤条件 軟弱・地震多発 比較的安定
工法選定 安全性・精密性重視 経済性・簡便性重視
矢板の役割 仮設+一部恒久 恒久構造に利用される場合も多い
環境配慮 再利用・騒音振動対策重視 地下水保全・環境法規への適合
技術導入 ICT管理、サイレント工法 シールド・プレキャスト工法など

🌏 「どこを掘るか」ではなく、「どう掘るか」に国の特徴がにじみ出る。


◆ 矢板工事の国際化と日本の技術の強み

日本の矢板工事は、技術力の高さと安全性の信頼から、海外プロジェクトにも積極的に導入されています。

  • インドネシアの地下鉄建設(日本の圧入工法が採用)

  • フィリピン・ベトナムなどの港湾整備にて日本製鋼矢板が活躍

  • サイレントパイラーが欧米でも導入進行中(環境規制対応)

📦 日本の矢板技術は、“騒がず、確実に守る”という精神が国際的に評価されているのです。


◆ おわりに──地下の壁が語る、それぞれの国の「つくる哲学」

矢板工事は、どの国でも共通して「安全を支えるインフラの土台」として不可欠です。しかし、どう打ち込み、どう守るかには、その国の技術力、歴史、地理、文化が色濃く反映されます。

🛠️ 地下の“壁”を見れば、その国の「ものづくりの心」がわかる。
それが矢板工事という仕事の奥深さなのです。

 

徳島県阿南市の佐々木運輸機工有限会社は、
・クレーン作業(クレーン操作により建設資材等の吊上げ)
・長、重量物の運搬(重機等)
・建設機械の運搬(トラック使用)
・鉄骨、足場材等の建築資材の運搬
・矢板工事一式
などの作業を行っています。

また、重機のリース事業もしています。

クレーン、建設機械による作業の請負、重量物運搬、一般貨物自動車運送業、矢板工事一式、一般土木工事などは、佐々木運輸機工有限会社へお任せ下さい!

お問い合わせ

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佐々木運輸のあれこれ~矢板工事における特徴~

皆さんこんにちは!佐々木運輸機工有限会社のブログ更新担当の中西です。

 

さて今回は

~矢板工事における特徴~

ということで、今回は、土木工事の中でも“縁の下の力持ち”的な存在である「矢板工事」について、工程や役割、技術的特徴を詳しく掘り下げていきます♪

 

橋やトンネル、高速道路や地下鉄、ビル建設の基礎──どれも「地盤」が安定していてこそ成り立ちます。その地盤の崩壊や地下水の流入を防ぐための工法として不可欠なのが、矢板工事です。


◆ 矢板工事とは?

矢板(やいた)工事とは、土留め(どどめ)工事の一種で、掘削工事などの際に周囲の土壌が崩れないよう、板状の材料(=矢板)を地中に打ち込む作業です。

🎯 主な目的

  • 土の崩壊防止

  • 地下水の浸入防止

  • 周辺構造物の沈下や損傷の防止

  • 作業員の安全確保

⚙️ 矢板は「地中に建てる仮設の壁」。その後の工事の土台を支える極めて重要な役割を果たします。


◆ 矢板工事の代表的な工程

矢板工事は、建設現場の規模や地質条件に応じて設計され、以下のようなステップで行われます。


【1】地盤調査・設計

まずは現地の地盤をボーリング調査などで確認し、どのような土質か、地下水位はどうかを把握します。

  • 矢板の長さ・材質・厚さを決定

  • 必要な支持力や周辺への影響を計算

📏 この設計段階で安全性と経済性のバランスを取ることがカギ。


【2】矢板の搬入と準備

現場には、用途に応じた矢板が搬入されます。代表的な矢板には次のような種類があります

矢板の種類 特徴 用途例
鋼矢板(こうやいた) 頑丈・再利用可・防水性あり 河川・港湾・地下構造物
木矢板(もくやいた) 軽量・短期使用に向く 小規模工事や仮設土留め
鉄筋コンクリート矢板 耐久性が高いが施工に時間がかかる 恒久構造物

【3】矢板の打設(圧入・打込み)

油圧圧入機やバイブロハンマーなどの重機を使って、矢板を地中に垂直に打ち込んでいきます。

  • 隣接する矢板とはめ合わせながら施工(継手=ロック部で連結)

  • 振動や騒音を低減するための工法(サイレントパイラー等)も登場

🔩 打ち込み深さや角度はミリ単位で管理。地中の障害物や水圧に対応しながら、丁寧に進める必要があります。


【4】土留め支保工(切梁や腹起し)

矢板を設置しただけでは内側からの圧力(背面土圧)に負けてしまいます。そのため、内側に支保材(切梁=ブレース)を設置して補強します。

  • 切梁:横に渡して内壁を支える

  • 腹起し:矢板の内側に縦にあてがう板

⚠️ この工程は、作業員の安全と構造全体の安定性を左右する重要なステップです。


【5】掘削・本体工事の実施

矢板によって囲まれた安全な空間(掘削孔)の中で、基礎・配管・構造物などの本体工事が進められます。

  • 地下構造物の基礎掘削

  • 擁壁・管路・人孔などの設置

🛠️ 地下水がある場合は、排水ポンプや薬液注入で水位を管理しながら作業します。


【6】矢板の撤去(または埋設)

工事完了後、矢板は用途によって撤去(再利用)またはそのまま埋設されます。

  • 鋼矢板は高価なため再利用されるケースが多い

  • 永久構造として使う場合は、矢板がそのまま“壁”になる

♻️ 矢板の再利用は、資源循環型社会の実現にも貢献しています。


◆ 矢板工事の特徴と利点

✅ 高い安全性

現場作業員を土砂崩れや水圧から守る仮設構造。地下工事では命を守る盾になります。

✅ 柔軟な施工性

狭小地・傾斜地・地下水位の高い地盤でも、地形に合わせた施工が可能

✅ 短工期・コスト効率

施工法が確立されており、工程管理がしやすく、比較的短期間で完了できる。


◆ 使用例と応用分野

  • 河川護岸工事

  • 地下鉄・地下道・地下駐車場

  • 港湾・堤防・海底トンネル

  • 基礎工事(高層ビル・橋脚)

🌉 地中で静かに支えるその構造が、私たちの都市生活を根底から支えているのです。


◆ 今後の展望と課題

💡 高機能矢板の開発

  • 防音・防振性能に優れた新素材矢板

  • 環境配慮型(リサイクル鋼・ハイブリッド素材)

🧠 ICT×矢板工事の進化

  • 3D施工管理システム

  • 地中センサーによるモニタリング

  • AIによる土圧・振動予測

🚧 技術者不足の課題

  • 熟練の技が求められる現場ゆえに、技能継承と若手育成が急務となっています。


◆ おわりに──“見えない壁”が守っているもの

矢板工事は、完成後には見えなくなることがほとんどです。けれど、その仮設の壁がなければ、何も始まらない。

目立たないけれど絶対に必要。そんな「縁の下の職人技術」が、この国のインフラを静かに支え続けています。

🧱 地中に打たれた一本一本の矢板に、
安全・安心・信頼が込められているのです。

 

徳島県阿南市の佐々木運輸機工有限会社は、
・クレーン作業(クレーン操作により建設資材等の吊上げ)
・長、重量物の運搬(重機等)
・建設機械の運搬(トラック使用)
・鉄骨、足場材等の建築資材の運搬
・矢板工事一式
などの作業を行っています。

また、重機のリース事業もしています。

クレーン、建設機械による作業の請負、重量物運搬、一般貨物自動車運送業、矢板工事一式、一般土木工事などは、佐々木運輸機工有限会社へお任せ下さい!

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