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月別アーカイブ: 2025年9月

佐々木運輸のあれこれ~「良い機械」を“良い在庫”に~

皆さんこんにちは!佐々木運輸機工有限会社のブログ更新担当の中西です。

 

さて今回は

~「良い機械」を“良い在庫”に~

 

レンタルは“借りやすさ”が命。けれどバックヤードの仕入れと選別こそ、稼働率・故障率・粗利・顧客満足のすべてを決めます。ここでは現場でそのまま使える視点とツールで、機種選定→調達→導入→回転までを一本の“仕入れオペレーション”として整理します。


1|まずは需要地図を描く:利用データ×案件予測 ️

  • テレマティクスの既存データ(稼働h、アイドリング比、燃料/電力、故障コード、平均負荷)から**“使い切れてないサイズ”と“足りないクラス”**を炙り出す。

  • 案件管路(ゼネコン・舗装・造成・解体・産廃・プラント・設備・電設)を月次で棚卸し。繁忙期のピーク需要地域偏在を重ねる。

  • “大型でなくても足りる”“電動で足りる現場”“アタッチ頻繁”などの文脈ラベルを付与し、在庫を“仕事の言葉”で定義する。

例:関東湾岸=夜間/低騒音→電動ミニショベル+防音発電+充電/給電キットを増車


2|TCOでしか勝てない:一台の“真のコスト”を可視化

レンタルは時間単価のビジネス。仕入れ判断は必ず**TCO(総保有コスト)**で。

TCO = 購入価格 + 金利/保険 + 予防保全 + 故障修理 + 予備機コスト + 輸送/据付 + 事務費 − 残価

  • 稼働前提:年間稼働h(保守的/楽観的の2本立て)

  • ダウンタイム率:同クラス過去実績から仮置き

  • 残価:3〜5年の市場相場×販路別(買取/下取/オークション/自社中古)

  • 環境要件:低騒音・低排出・電動の入札加点を加味

レンタル基準単価(円/h or 円/日)は、TCOに目標粗利を乗せて逆算。**“仕入時点で勝ち単価が見える”**状態にする。


3|選定フレーム:用途×仕様×安全×サステナ

用途の芯(Job To Be Done)

  • 掘削/積込/整地/解体/高所/搬送…工程単位で必要性能を定義

  • サイクルタイム(掘る→振る→積む)と一発の量(バケット容量、到達高さ/半径)

仕様のコア

  • 出力系:ディーゼル/ハイブリッド/電動、燃焼後処理(DPF/SCR)、電池容量と充電方式(普通/急速/スワップ)

  • 寸法重量:輸送可能寸法/重量、道路許可の有無

  • 油圧/電装:補助回路数・吐出量、クイックカプラ、電動なら外部給電オプション

  • 足回り:ゴム/鉄、シュー幅、接地圧、スティールパッドの有無

安全・快適

  • ROPS/FOPS、360°カメラ、死角レーダー、後進アラート、SIV/降坂制御、エアサスシート、低騒音キャブ

サステナ

  • HVO適合、電動のCO₂排出係数の提供、バイオ油対応、漏えい対策


4|“スコアリング表”で感覚をやめる ✅

チームで合意しやすい点数表を用意します(例):

項目 重み 候補A 候補B
TCO(3年) 25% 8 7
稼働率予測(適合現場の広さ) 20% 7 9
故障/保守性(部品SLA・整備性) 15% 9 6
残価・再販性 15% 8 7
安全/快適装備 10% 9 8
環境適合(低騒音/電動/HVO) 10% 8 9
付加価値(アタッチ互換/データAPI) 5% 7 8
総合 100% 8.1 7.5

※各項目7〜9点が“買い”、5点以下は要議論。数値化→議事録で“後から説明できる仕入れ”に。


5|アタッチメント前提で選ぶ:1台を“何役”にも

  • クイックカプラ/油圧カプラを標準装備に。付替10分以内が目標。

  • 作業別バンドル(解体、法面、伐採、産廃、配管)を組み、半日単位課金も用意。

  • 既存在庫との互換性マップ(ピン径・油圧流量・電気信号)を常備。

  • 破砕/鉄骨切断は騒音・粉じん対応アタッチで都市工事の指名を取りにいく。


6|新車?中古?オークション?調達チャネルの使い分け

  • 新車(メーカー/ディーラー):仕様自由・保証厚い・残価安定。大量発注でフリート特約部品SLAを確保。

  • 認定中古:初期費用を抑え、短期回転の“穴”埋めに。整備記録・稼働h・主要消耗(足回り/ピンブッシュ/油圧)を数値で。

  • オークション:スポット対応・部材取り用。運試し仕入れは御法度、現車確認+上限価格を厳守。

  • 買戻し/長期リース残価保証でTCO安定。ピーク需要に合わせフレキシブル枠を持つ。


7|“整備・部品”が回らない在庫は赤字になる ️

  • 共通部品化:フィルタ、油、ゴムパーツ、クイックカプラ…同系OEMでまとめると在庫と教育が軽くなる。

  • 部品SLA48h以内を標準で契約。止まる=信用が溶ける。

  • 消耗の見える化:ピンブッシュ/アンダキャリッジは摩耗限界→交換時期をダッシュボードで赤黄緑表示。


8|電動・低騒音の仕入れは“電源込み”で考える ⚡

  • 充電計画(現場電源/移動式蓄電/急速/夜間充電)までを商品化

  • 充電器・ケーブル保護・養生マット同梱レンタルで“使える状態”を提供。

  • CO₂レポートを納品物に加え、入札・CSRで可視化。


9|契約&保証:価格より“止めない条項”

  • Uptime条項(代替機手配SLA、故障時減額、現地到着時間)

  • 遠隔診断/OTAの権限、データのAPI利用許諾

  • パワートレイン延長保証、主要油圧機器のコア返却条件

  • HVO/電動の適用範囲(保証影響)を明文化


10|受け入れ前検査(PDI):“到着日が品質の初日”

  • 目視:漏れ・傷・塗装、書類(適合/整備記録/保証)

  • 計測:油圧/電圧、エラーコード、補助回路流量、実出力

  • 安全:各センサー作動、非常停止、アラーム音量、ライト

  • アタッチ:カプラ噛み合い、ピン径、ガタ、グリス給脂

  • 電動:SoH/SoC、付属充電器、絶縁、ログイン権限
    PDIチェックシートはクラウド保存+写真10枚を必須。


11|価格設計:在庫回転と粗利の“呼吸合わせ”

  • 日額/時間額/半日額の3本立て+最低課金

  • 繁閑ダイナミックプライシング(需要×地域×機種)

  • 長期割保守・輸送込みパックで客単価を守る

  • アタッチ別課金で“本当に使う価値”を公平に


12|出口を決めて仕入れる:残価戦略と販路 ♻️

  • 3年/5年の出口を想定し、中古再販の写真・整備履歴を入庫日から蓄積。

  • 販路ミックス:自社販売(粗利↑)、ディーラー下取(手間↓)、オークション(回転↑)、輸出(相場差)。

  • 軽整備・再塗装の原価と売価差をテンプレ化し、回転を止めない


13|90日で“仕入れを仕組み化”するロードマップ ️✅

0–30日

  • テレマティクスで過去12か月の稼働h/アイドリング/故障を出し、“過大/過小サイズ”リストを作る。

  • PDIチェックとTCOテンプレを整備。

30–60日

  • スコアリング表で次四半期の増車候補を3機種に絞る。

  • サプライヤと部品SLA/延長保証/Uptime条項を交渉。

60–90日

  • 電源込み商品(電動ミニ+充電+養生)と作業別アタッチバンドルをローンチ。

  • **残価販路(自社/下取/オク)**の決裁基準を文書化。


14|“よくある失敗”と回避策 ⚠️

  • 人気だけで仕入れる → データで“どの現場で誰が何に使うか”を確認。

  • マルチメーカー化で部品が地獄 → 共通化ルールを先に決める。

  • 電動だけ仕入れて充電がない → 電源パックごと商品化。

  • アタッチ互換がない → ピン径・油量の基準を社内標準化。

  • 残価を見ない → 入口の会議に“出口の担当者”を必ず同席。


15|機械を選ぶのではなく、“使い切れる在庫”を設計する

仕入れは営業でも整備でもない――“稼働を設計する仕事”です。
データで需要を読み、TCOで勝ち、アタッチと電源で現場起点
に仕立て、SLAで止まらない約束を作る。出口(残価)まで見通した“循環”ができた時、在庫は資産からキャッシュマシンへ変わります。

今日の一本は、明日の100現場を支えます。
良い仕入れで、現場にもう一歩の余裕を。✨

 

 


徳島県阿南市の佐々木運輸機工有限会社は、
・クレーン作業(クレーン操作により建設資材等の吊上げ)
・長、重量物の運搬(重機等)
・建設機械の運搬(トラック使用)
・鉄骨、足場材等の建築資材の運搬
・矢板工事一式
などの作業を行っています。

また、重機のリース事業もしています。

クレーン、建設機械による作業の請負、重量物運搬、一般貨物自動車運送業、矢板工事一式、一般土木工事などは、佐々木運輸機工有限会社へお任せ下さい!

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佐々木運輸のあれこれ~もう“鉄の塊”じゃない~

皆さんこんにちは!佐々木運輸機工有限会社のブログ更新担当の中西です。

 

さて今回は

~もう“鉄の塊”じゃない~

 

重機リース業が追いかける進化の波

「重機はレンタルすれば動く」——そんな常識は、ここ数年で静かに書き換えられています。電動化・コネクテッド・自動化・安全支援・サステナ・アタッチメント経済…。重機そのものの進化が、リース(レンタル)というビジネスの中身を丸ごとアップデート中。今日は、現場のリアルと経営の視点を縦横に結びながら、「変わり続ける重機の進化」を一気に見取り図にします。


1|パワートレインの転換:ディーゼル一色から“適材適所”へ ⚡️

  • 低排出ディーゼル:後処理(DPF/SCR)が当たり前。アイドリング削減燃料管理でコストと環境を同時に最適化。

  • HVO(再生可能ディーゼル):既存機にそのまま使えてCO₂原単位を削減。都市工事や入札での加点材料に。

  • 電動・ハイブリッド:ミニショベルや小型ホイールローダーは夜間・屋内・騒音規制に強い。充電計画も“機材の一部”。

  • バッテリースワップ/移動式蓄電:ダウンタイムを圧縮。発電機の騒音・排気ゼロ化が求められる現場で有効。

  • 水素/燃料電池の実証:長時間・高出力領域への布石。将来のインフラ整備を見越した実証現場が増加傾向。

リースの要点:機種選定は作業・時間帯・地域規制で切り替える時代。環境要件を満たす**“入札仕様パッケージ”**を整えておくと強いです。


2|コネクテッド重機:稼働率は「感覚」から「データ」へ

  • テレマティクスで稼働時間・燃費・位置・振動を可視化。過剰機の削減適正サイズ化に直結。

  • 遠隔診断&OTA(機種による):エラーの早期検知、ソフト更新で現場停止を最小化

  • ジオフェンス/盗難対策:搬出入の遅延アラート、不正利用の抑止

  • API連携:工程管理・BIM/CIMとデータ接続し、出来形・出来高の裏づけに。

リースの要点“稼働率・故障・燃料”のダッシュボードを顧客と共有し、成果で語る契約(Uptime/SLA)へ。


3|半自動・自律化:オペレーター支援が生産性を底上げ

  • 2D/3Dマシンガイダンス:設計面からの高さ・勾配指示でベテラン並みの均しを早期に再現。

  • マシンコントロール:ブレード・ブームが自動で追従し、やり直しを削減。燃料・時間・手戻りが目に見えて減る。

  • 周囲検知&衝突回避:360°カメラ、死角レーダー、警告アラートで人的災害を予防

  • 遠隔操作(テレオペ):危険区域・悪天候・夜間でも**“人を現場に晒さない”**運用が可能に。

リースの要点機体+ガイダンス+基準点(GNSS/基準局)+教育までをワンセットで提供すると、差別化が一気に進みます。


4|安全と人材:技術が“新人立ち上げ”を加速

  • チェックリスト×インターロックでヒューマンエラーを抑制。

  • VR/シミュレータ研修で基礎操作・危険予測を短期間で習得。

  • 可視化された安全KPI(後退アラート回数、急加速・急制動等)をフィードバック面談に活用。

リースの要点:**教育パック(初日講習・安全動画・簡易テスト)を契約に同梱。「貸して終わり」から「使えるまで伴走」**へ。


5|アタッチメント経済:1台を“何役”にもするアイデア

  • クイックカプラ&油圧カプラで付け替え10分以内。バケット/ブレーカ/クラッシャ/グラップル…現場の多能工化が進む。

  • 騒音・粉じん対策アタッチメントで都市施工に適合。

  • 時間課金のマイクロリース:掘削は午前、破砕は午後といった半日単位での付替需要も。

リースの要点:**現場工程に合わせた“アタッチメントの組み合わせ表”**を提案。**在庫は“作業別バンドル”**で持つと回転が早くなります。


6|サステナと規制:入札・都市工事の“新しい当たり前” ️

  • CO₂レポート:稼働hあたりの燃料・電力を可視化し、工事全体の削減目標に合わせて機種を選ぶ。

  • 低騒音・無排気ゾーン:学校・病院・商業地での昼夜規制に、電動機や防音型を投入。

  • 環境配慮油・漏えい対策:河川・公園での万一の事故に備えた仕様が求められる。

リースの要点:**“環境仕様の標準メニュー”**を明文化。認証・証跡の提出テンプレを用意しておくと入札に強い。


7|現場ロジスティクス:機械だけでなく“電源・回送・予備”もセット

  • 充電・給電の計画:休憩・搬入のスキマ時間充電、移動式バッテリーの併用。

  • 代替機・部品保守:**MTBF/MTTR(平均故障間隔/復旧時間)**を契約に織り込む。

  • 回送の平準化:朝イチ集中を避け、夜間搬入段積みトレーラで効率化。

リースの要点“電源込み現場立上げパック”(機体+充電+ケーブル保護+安全養生)を商品化。


8|価格・契約の進化:時間貸しから“成果”や“稼働保証”へ

  • Uptime契約(稼働保証):故障時のペナルティ/代替手配時間を明文化。

  • 出来高・出来形連動:整地量や運搬量で成果課金の実験も。

  • ダイナミックプライシング:繁閑・地域・機種の需給でレートを微調整。データで公平に。

リースの要点“3つの見積”(標準・環境仕様・Uptime付)を並べ、コストではなくリスク差を説明。


9|導入チェックリスト:90日で“進化対応リース”へ ✅️

0–30日

  • 稼働・燃料・故障のダッシュボードを整備(3指標に絞る)。

  • 都市工事向けに低騒音・電動小型のSKUを拡充。

30–60日

  • 教育パックを標準化(初日講習+安全動画+機体別クイックガイド)。

  • アタッチメントの作業別バンドル半日単位の料金表を作成。

60–90日

  • Uptime条項を雛形に追加(代替手配SLA・ペナルティ)。

  • CO₂/騒音の証跡テンプレを整備し、入札・レビュー用に可視化。


10|これから:Equipment as a Service(EaaS)へ

重機は「借りるモノ」から、**“使える状態を継続供給するサービス”**へ。

  • データで生産性と安全を示し、

  • 環境要件に証跡で応え、

  • 教育で人の立ち上がりを支え、

  • 付随インフラ(電源・代替・回送)まで面で解決する。

その瞬間、リースは価格勝負から価値勝負へ切り替わります。重機の進化は止まりません。だからこそ、進化を“現場で使える形”にして手渡すのが、これからの重機リース業の使命です。

今日の現場に、ひとつ新しい選択肢を。明日の工期に、ひとつ分の余裕を。
“鉄の塊”は、今も静かに賢くなり続けています。️✨

 

 


徳島県阿南市の佐々木運輸機工有限会社は、
・クレーン作業(クレーン操作により建設資材等の吊上げ)
・長、重量物の運搬(重機等)
・建設機械の運搬(トラック使用)
・鉄骨、足場材等の建築資材の運搬
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などの作業を行っています。

また、重機のリース事業もしています。

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